ハイドを造る

私たちのこだわりは、良い品質のアイリッシュウイスキーを厳選し、独自の厳しい基準のもと仕上げています。

私たちは最上級のアイリッシュウイスキーだけを厳選し、世界中の蒸留所やワイン醸造所から直接調達したヴィンテージのオーク樽で仕上げています。

ハイドでは、“ニューメイク”(蒸溜したてのウイスキーの原液)ウイスキーも熟成しています。 この“ニューメイク”ウイスキーはコーク州リトルアイランドの自社熟成庫にあるオーク樽で何年も寝かされ、ゆっくりと熟成していきます。

“アイリッシュウイスキー”と呼称するには、蒸留と熟成がアイルランド島で行われていなければなりません。 また、木樽で3年以上の熟成・アルコール度数40%以上という2つの条件を満たす必要もあります。

製麦

様々な種類の穀物を粉砕・熱処理し、 大麦から麦芽を作ります。大麦を水に浸して水を吸わせたら、平面に広げます。約3週間で発芽し、最後に熱を加えて乾燥させます。これを麦芽と呼びます。

仕込み(糖化)

熱処理された穀物と麦芽をお湯に加えます。これで、“マッシュ”と呼ばれる液体に変わります。

発酵

マッシュは酵母と一緒に発酵槽に入れます。ここで、酵母作用により糖がアルコールに変換されます。3~4日後にできあがった液体はアルコール度数10%で、“蒸留所のビール”、あるいは、“ウォッシュ”と呼ばれます。

蒸留

ウォッシュを加熱します。この時、液体からアルコール成分だけが蒸発する加熱温度に調整します。 こうして蒸発したアルコールを2つ目の槽に集めます。
この工程を繰り返すうちに、“ハイワイン”、“ニューウイスキー”と呼ばれる、熟成工程に回す本留液ができあがります。

熟成

ハイワインに水を加えて、木製樽で熟成します。樽は通常チャーリングされたホワイトオーク製です。 ウイスキーの熟成期間は3~4年以上で、中には10~15年間熟成されるものもあります。

瓶詰め

熟成したウイスキーをガラス瓶に詰めます。ガラス瓶でウイスキーの味わいが変わることはありません。

シングルモルト

HYDEシングルモルトのアイリッシュウイスキーは100%大麦麦芽を使用、アイルランドの単一蒸留所で造られたものです。 伝統的な銅製の単式蒸留器で2回蒸留し、ハイドの厳格な基準をクリアしています。

大麦

ウイスキー造りで大きな役割を担うのが大麦の品質です。 大麦の品質は年1回の収穫時の状態が影響し、毎年変化します。 そのため、アイルランドで調達した大麦麦芽のみを使用して造られるピュアシングルモルトのアイリッシュウイスキー造りでは、大麦選びが極めて重要です。 HYDEシングルモルトには、コーク州産の大麦が使われています。 コーク州は肥沃な土壌で有名で、石灰を豊富に含んでいます。そのため、アイルランド大麦の栽培に最適なのです。

製麦

製麦には、「大麦の浸漬(浸麦)」、「大麦の発芽促進」、「清浄な熱風による大麦麦芽の乾燥」の3段階があります。 大麦麦芽の乾燥時、スコッチウイスキーのブランドであればほとんどがピート(泥炭)を使用するところですが、HYDEアイリッシュウイスキーの場合は使用しません。

粉砕と糖化

シングルモルトのアイリッシュウイスキー造りでは、大麦を粉砕して“グリスト”と呼ばれる粉末を作ります。 “マッシュタン”と呼ばれる大きな槽に、アイルランドの湧き水を熱したものを注ぎ入れます。そこにグリストを投入して、よくかき混ぜたものが “マッシュ”です。 ここで、デンプン質が発酵性糖質に変化し、“ウォート”(麦汁)という熱くて甘い液体ができます。

デンプン質がすべて発酵性糖質に変化すると、ウォートを濾過します。その後には“ドラフ”という大麦の搾りかすが残ります。 ドラフは農家が買い取り、家畜の餌として利用されます。

発酵

発酵工程では、甘い麦汁“ウォート”に蒸留所の酵母を加えます。 酵母が発酵性糖質をすべて分解し、その過程でアルコールと二酸化炭素が生成されます。 発酵が終わったウォートは“ウォッシュ”と呼ばれます。 ウォッシュのアルコール度数はこの段階で約10%から13%です。 3日間発酵させた後、ウォッシュは銅製の単式蒸留器に移されます。ここで蒸留されて余分な水分が取り除かれると、濃度の高いアルコールが出来上がります。

銅製の単式蒸留器で造られたウイスキー

銅製の単式蒸留器でウイスキーを造るのは、アイリッシュウイスキー造りの伝統的な方法です。

この伝統的な銅製の単式蒸留器を使うと、より複雑な味わいが生まれます。 銅製の単式蒸留器ウイスキーは、より芳醇なコクが特徴のひとつです。

蒸留

蒸留とはアルコールを水から分離する工程です。 ウォッシュが加熱されて78℃になるとアルコールの気化が始まります。 この蒸気を冷却、抽出してから、2度目の蒸留が行われます。 HYDEウイスキーは、個性豊かで円熟した素晴らしいウイスキーを造るために、蒸留を2回行います。 しっかりとした個性とスパイシーな風味を兼ね備えたシングルモルトを造るのであれば、蒸留は3回ではなく2回の方が良いと考えています。

熟成

蒸留後、アルコール度数が80%のスピリッツに地元アイルランドの湧き水を濾過して加水します。アルコール度数が60~70%まで下がると、厳選されたオーク樽に移します。熟成庫に貯蔵され、ゆっくりと時間をかけて熟成していきます。

シングルグレーン

HYDEシングルグレーンアイリッシュウイスキーはトウモロコシが原料で、蒸留器には3塔の銅製の連続式蒸留器を使用しています。 つまり、蒸留3回、ブレンドなし、単一蒸留所のグレーン原酒のみで造られたピュアグレーンウイスキーです。

3塔の連続式蒸留器なら、“分別蒸留”と呼ばれる手法が可能になります。この名称は、様々な種類の成分が沸点の違いにより連続式蒸留器の異なる棚や塔に抽出(分留)されることに由来します。 このようにして、蒸留液の各成分は次の塔へ進むうちに取り除かれていきます。

3塔の連続式蒸留器の場合、最初の塔は“アナライザーコラム”(粗留塔)と呼ばれるもので、蒸気は上へ、ウォッシュは下へ移動します。 連続式蒸留器の塔頂から入るのがウォッシュです。底まで落ちる途中で、塔の底の棚から上昇してきた蒸気に触れます。 すると、ウォッシュのアルコール分が蒸発し、蒸気とともに上まで運ばれます。一方、アルコール分が取り除かれたウォッシュはコラムスチルの下まで落ちて沸騰します。そこで、また新たな蒸気が発生します。

この最初のアナライザーコラムでは、ウォッシュからアルコールが “引きはがされ”、アルコール度数65%から70%の“ハイワイン”が作られます。そのため、この塔は「はがす=strip」から“ストリッパーコラム”とも呼ばれています。

第2の塔は“エクストラクターコラム”(留出塔)で、ここから精留工程が始まります。

第3の塔“レクティファイアーコラム”(精留塔)では、これまでの2つの塔で作られた初留(フォアショッツ)と後留(フェインツ)からアルコールが抽出されます。

このスピリッツは3つの塔を通過するにつれて、徐々に混ざりけがなくなります。

連続式蒸留器では、重要なポイントが2つあります。それは、穀物の原材料とスピリッツの溜出度合いです。 しかし、スピリッツに残った不純物もウイスキーの香味を感じさせてくれます。 つまり、純度が極めて高いスピリッツでは、ウォッカのように香味が少なくなります。 ウイスキーの最初の香味を生み出すには、ほんのわずかですが、コンジナー(不純物)が不可欠です。その他の香味は、HYDEウイスキーが貯蔵されるオーク樽の中で何年もかけて醸成されていきます。